日本でシェフになってからイタリアに行こう!と決めて1995年3月、30歳でイタリアに渡りました。
ここでは、私が経験したイタリア修行でのこと、共に働いたイタリア人スタッフのこと、
そして思い出のイタリアン料理のことについて、5つのお話をお届けしたいと思います。
第1回目は、「同僚宅で味わった、イタリアの家庭料理」について。
修行先のレストランで驚いたのが休憩時間(アイドリングタイム)がとても長いことでした。
15時ごろにランチが終わりスタッフは一度帰宅してから20時にレストラン隣のカフェに集合してコーヒーを飲み、
20時30分からディナータイムがスタート。
僕の部屋はレストランの下にある中庭に面したトイレ、シャワー付きの4畳半、
キッチン設備はなしと自炊のできない環境でした。
働き始めて少し経った頃、マンマ的存在のスタッフから誘われて、おうちに行きました。
マンマから「何食べたい?」と聞かれたので「スパゲッティ!」と答えたら
「スパゲッティかい?ないから買ってきて」と言うのです。僕は「??」と首をかしげます。
よく聞いてみると、イタリア人は「スパゲッティはあまり食べないよ」とマンマ。
そういえばレストランの賄いでスパゲッティを食べたのは、僕が作った時だけだったような...。
マンマにご馳走になった料理は素朴でシンプルな家庭料理。
インゲン豆のスープに具だくさんの野菜スープなど、煮込みのようなスープとメインディッシュとパン。
子どもたちが小さい頃はこの時間に揃って食事をしていたそうで、
「今は近所の友達と一緒に食べているの。」とのことで、そこに僕も相席させてもらいました。
そこでいただいた一皿が『鶏肉のインパナート』。
香草、アンチョビ、ケッパー、ペコリーノロマーノなどを混ぜ込んだパン粉を衣にして焼いた、
カツレツみたいなメインディッシュ。
トマトを蒸し煮にしたシンプルでナチュラルな僕の大好きなトマトソースを
たっぷりつけて食べるのがマンマのスタイルです。
このトマトソースはSento Beneに持ち帰ってトマトの美味しい季節のスペシャルソースになりました。
イタリア修行で味わった家庭のあたたかな味は、今でも忘れることはありません。
マンマや仲間たちは元気だろうか。そんなことを考えながら、思い出の味を再現してみました。
みなさんもぜひ、チャレンジしてみてください。
次回は、ローマにある修行先のお店について。人気メニューの簡単なレシピも紹介します。
ぜひお楽しみに。
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BRUNO
愉しみ上手な大人が集い、生まれた、ライフスタイルブランド たとえば、ビーチサイドを仕事場に、 いつもの食卓をパーティに変え、 ファッションを愉しむようにインテリアを選ぶ。 “変幻自在”で”愉しさ重視”のライフスタイルがBRUNO流。 BRUNOは、人生を愉しむための 遊び心に満ちたライフスタイルをお届けします。
愉しみ上手な大人が集い、生まれた、ライフスタイルブランド たとえば、ビーチサイドを仕事場に、 いつもの食卓をパーティに変え、 ファッションを愉しむようにインテリアを選ぶ。 “変幻自在”で”愉しさ重視”のライフスタイルがBRUNO流。 BRUNOは、人生を愉しむための 遊び心に満ちたライフスタイルをお届けします。