爆発的なブームを巻き起こしたイタリアンスイーツ「マリトッツォ」の次に流行ると言われている「ボンボローニ」。
すでにテレビや雑誌、SNSでも話題で、専門店やコンビニスイーツも登場、
大手食品メーカーからも発売され、街のあちこちで見かけるようになりました。
今回は、外苑前にある本格イタリア料理店<セントベーネ>の加藤政行シェフに、
家庭でできるおいしいボンボローニのレシピを開発していただきました。
失敗しないコツやポイントもわかりやすく教えてくださったので、ぜひレシピと併せて読んで、参考にしてください。
イタリアンスイーツの魅力を、シリーズ全4回でたっぷりとお届けします!
コロンとした丸い形の揚げパンにカスタードクリームをたっぷりと詰めて、
粉糖をかけたかわらしいお菓子がボンボローニ。
甘くておいしいから、コーヒーによく合いますよ!
日本では、生クリームやチョコレート味、コーヒー味、ストロベリー味、ピスタチオ味など
いろいろな味が販売されていますが、イタリアではカスタードクリームが基本。
ブリオッシュ(バターや牛乳をたっぷり使ったお菓子に近いパン)のようなリッチできめ細かい生地に、
濃厚で甘いカスタードクリームがたっぷり、はみ出るくらいに詰まっているのが特徴です。
私がローマで修行していた頃は、小太りのコロンとした体型の人を、
親しみを込めて「ボンボロ」と呼んだりしていたので、
「丸い」とか、「太っちょ」という意味合いがあるのかなと想像しますが、実際のところはよくわかっていません。
丸い形が爆弾(Bomb)に似ているから、という説もあるようですね。
そういうことをはっきりさせないのが、イタリアらしさでもあるんですよ(笑)
ボンボローニは私が住んでいたローマでは、当時はあまり見かけないお菓子だったので、
今日本でここまで話題になっていることにびっくりです。
今回ご紹介するレシピは、イタリアの料理書をベースに、イタリア人の友人達にも話を聞いて、
ご家庭でもつくりやすく、おいしくアレンジしたものです。
コツをつかめば、失敗なく、最高においしくできるので、ぜひつくってみてください。
つくり方は、
①生地をつくって発酵させて、②揚げて、③カスタードクリームをつくって、④パンに詰める、という4ステップ。
「発酵生地はむずかしそう」、「ハードルが高い」と思われがちですが、レシピ通りにつくれば大丈夫!
材料の計量や時間をきちんと守ることが、上手につくるポイントです。
ここでは、プロセスをざっくりと説明しながら、つくり方のコツや、これは大事!
というポイントをその理由とともに紹介します。
分量など、詳しいレシピはこちらをご覧ください。
目指したのは、リッチできめ細やかなブリオッシュのような生地です。
まずは下準備として、バターを電子レンジで溶かし、牛乳を人肌程度に温めます。
さらに、生地用の粉とドライイースト、ベーキングパウダーは混ぜ合わせてふるっておきます。
ちょっとしたことですが、こういうところを省略すると、上手く生地がまとまらなかったり、
発酵しなかったりするので、レシピ通りにやりましょう。
大きめのボウルに生地の材料をすべて入れて混ぜ合わせ、
ある程度まとまったら、清潔で平らな台の上で10分ほどこねます。
この時、台が汚れていると、生地の中に雑菌が入り、発酵させている間に菌も増殖してしまったり、
生地が上手く発酵しなかったり...。
食品用のアルコールなどで除菌した、清潔な台を使い、清潔な手でこねましょう。
また、こねる作業は、体重をかけたり、力を入れたりせずに、軽く、リズミカルにこねるのがポイントです。
なめらかな生地ができたら、丸めてボウルに戻し(材料を混ぜたボウルでOK!洗い物は少なく!)、
生地が乾かないようにラップをして、室温(20~25℃)で45~50分、1次発酵させます。
冬は室温が低いので、キッチンのあたたかい場所に置くのもポイント。
レストランだと、オーブンがいつも予熱であたたまっているので、私はその近くに置いたりしています。
逆に夏は涼しいところに置くなど、気温に合わせて置き場所を工夫しましょう。
生地が2倍程度の大きさになったらOK。
発酵が足りない時は、時間を長くして、調整してくださいね。
1次発酵が終わったら、8等分して丸め、カットしたクッキングシートにのせ、2次発酵させます。
私は高さのある大きめのバットに入れて、生地が乾かないようにラップをかぶせますが、
ご家庭にない場合は、薄手の濡れ布巾を固くしぼってかぶせ、ラップをかけます。
できれば生地に濡れ布巾やラップがつかない方がいいので、バットの代わりになるものを使うのがおすすめです。
室温で30~40分置き、生地が2倍程度の大きさになったら2次発酵は終了です。
高さのある大きめのバットで生地を2次発酵させたところ
【BRUNOホーロー天ぷら鍋】に揚げ油入れて、160℃に熱します。
今回はイタリア料理でよく使うヒマワリ油を使いましたが、
なければ、オリーブ油以外なら、サラダ油でも何でもOKです。
イタリアと言えばオリーブ油のイメージがあるかもしれませんが、
ボンボローニをオリーブ油で揚げると、重い食感の生地になってしまうんです。
オリーブ油は、パスタや炒め物など、高温で加熱する時に使う油で、軽い食感のお菓子には使わないんですよ。
ボンボローニは低温で片面3分ずつ、キツネ色に揚げるのがポイントです。
温度が高すぎると、生地に砂糖が入っているから、あっという間に焦げて真っ黒になり、中は生のまま...。
温度と時間を守ることが失敗しないコツです。
【BRUNOホーロー天ぷら鍋】は、温度計がついているので、便利ですよ。
天ぷら鍋でボンボローニを揚げている様子
160℃の低温で片面3分ずつ、キツネ色になるまで揚げます。
粗熱が取れたら、箸などで天面に穴をあけて、中をかき混ぜるようにして空洞をつくります。
原書では上から穴をあけることになっていましたが、市販のボンボローニは横から穴をあけているタイプも多いですね。
横からあけた方が、空洞をつくりやすいので、クリームがたっぷり入ります。
好きな方でつくってくださいね。
揚げたてアツアツだと火傷してしまうので要注意!
かといって、完全に冷めてしまうときれいに空洞をつくれないので、粗熱が取れたタイミングでやるのがベストです。
濃厚でぽってりとしたリッチなカスタードクリームは、イタリアのスイーツでよく使う定番のクリームです。
これができたら、いろいろなお菓子に応用できるので、便利ですよ!
お店では、毎日大量につくるので、ツヤが出るまで混ぜ続ける作業がかなりの重労働ですが、今回つくる量なら大丈夫。
お店でも使っている、自慢の本格カスタードクリームをぜひつくってみてください。
材料を鍋に移したら、強火で短時間で仕上げるのが、おいしくつくるポイントです。
とろみがついて重くなってきても手を止めず、混ぜ続ければ、ツヤのあるおいしいカスタードクリームになります。
カスタードクリームを手早く仕上げます
濃厚でとろみとツヤのあるカスタードクリームが完成!
冷凍できるので、まとめてつくって、小分けにして冷凍しておくのもおすすめです。
クリームが冷めたら、絞り出し袋に入れて、揚げて穴をあけた生地に絞り入れます。
絞り出し袋がなければ、ジッパー付き保存袋でも代用できますが、
絞り出し袋の方がきれいに隙間なくクリームを詰めることができますよ。
絞り袋でクリームを詰めていきます
絞り出し袋を使うと、隙間なくしっかりとクリームを詰めることができます。
クリームがはみ出るくらいにたっぷり詰めて、粉糖をかけておしゃれに盛りつけたら完成。
ボンボローニはできたてがおいしいので、その日のうちに食べてください!
ボンボローニのレシピは、こちらをご覧ください。
バターが香るリッチな生地と濃厚なカスタードクリームの相性が抜群!
あまりのおいしさに、あっという間に食べちゃいました。
さっそく、おうちでもつくってみたいです!
加藤政行 プロフィール
1965年埼玉県生まれ。イタリア料理店で修行後、1995年に30歳で単身イタリアに渡り、ローマ料理のレストランで本場の味を学ぶ。帰国後は有名シェフのもとで働き、2011年に独立して、外苑前に「Sento Bene(セントベーネ)」をオープン。伝統的なイタリア料理やワインが楽しめる人気店で、看板メニューは「カルボナーラ」と「ラザーニャ」。本格的なイタリア料理にシェフならではのアレンジを加え、イタリア人にも大好評だったメニューをお店で再現しリピーターが続出。カルボナーラやラザーニャの誕生秘話とレシピはBRUNOファンサイトで公開中。BRUNOアイテムを使ったレシピ開発も手掛けるなど、BRUNO製品の仕様や特徴を熟知し、プロならではの目線で活用法を提案している。
セントベーネ(Sento Bene)HP https://sento-bene.com/
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BRUNO
愉しみ上手な大人が集い、生まれた、ライフスタイルブランド たとえば、ビーチサイドを仕事場に、 いつもの食卓をパーティに変え、 ファッションを愉しむようにインテリアを選ぶ。 “変幻自在”で”愉しさ重視”のライフスタイルがBRUNO流。 BRUNOは、人生を愉しむための 遊び心に満ちたライフスタイルをお届けします。
愉しみ上手な大人が集い、生まれた、ライフスタイルブランド たとえば、ビーチサイドを仕事場に、 いつもの食卓をパーティに変え、 ファッションを愉しむようにインテリアを選ぶ。 “変幻自在”で”愉しさ重視”のライフスタイルがBRUNO流。 BRUNOは、人生を愉しむための 遊び心に満ちたライフスタイルをお届けします。