アーモンドの香ばしさと、カリッと硬めの食感がクセになるおいしさの「ビスコッティ」。
イタリアの伝統的な焼き菓子として、日本でもさまざまなタイプのビスコッティが売られています。
そこで今回は、外苑前にある本格イタリア料理店<セントベーネ>の加藤政行シェフに、
家庭でできるおいしいビスコッティのレシピを開発していただきました。
失敗しないコツやポイントをていねいに教えてくださったので、
ぜひレシピと併せて読んで、参考にしてください。
イタリアンスイーツの魅力を、シリーズ全4回でたっぷりとお届けします!
ビスコッティの一番の特徴は何といっても硬さ。
イタリアでは歯が折れそうなくらい硬いビスコッティもあるんですよ(笑)
イタリア修行時代によく食べていた思い出のお菓子です。
お店によって、硬さも、形もさまざまで、硬いビスコッティをコーヒーやワイン、
ビンコット(ブドウ果汁を煮詰めて熟成させた甘いソース)に浸して食べるのが大好きでした。
「ビス=2度」、「コッティ=焼く」、という意味があり、その名の通り、
生地を2度焼きするから、カチカチの硬い食感になります。
別名「カントゥッチ」とも言われ、カリッとした歯ごたえが「カント=歌う」ように聞こえることから、
「カントゥッチ=鳥のさえずり」という名前になったとか。
「プラート」という街の名前で呼ばれることもありますよ。
もう1つの特徴はアーモンドです。他のナッツが入っているビスコッティはあまり見たことがないですね。
アーモンドの香ばしさが、ビスコッティのおいしさを引き立てるので、アーモンドがベストだと思います。
イタリアで食べたおいしいビスコッティをイメージして、
日本人にも食べやすい硬さと甘さにアレンジして、レシピをつくりました。
歯が折れそうな硬さではないので、安心して食べてくださいね(笑)
イタリア人は甘いスイーツが大好きなので、イタリアのお菓子は全般的にすごく甘いです。
エスプレッソに3~4杯も砂糖を入れて飲むから、びっくりしますよ。しかも混ぜない!(笑)
最後に、カップの底に残ったジャリジャリの砂糖を食べるんです(笑)
だから今回のレシピは、本場の味よりも少し甘さ控えめで、日本人にも食べやすい味にアレンジしました。
作り方は、①生地をつくって冷凍して、②焼いて、③切って、④2度焼きする、という4ステップ。
発酵させない簡単な生地なので、ぜひつくってみてください。
材料の計量や温度、時間を守って、レシピ通りにつくれば、誰でもおいしくできますよ!
ここでは、プロセスをざっくりと説明しながら、作り方のコツや、これは大事!というポイントをその理由とともに紹介します。
分量など、詳しいレシピはこちらをご覧ください。
2度焼きでカリッと香ばしく焼き上げますが、硬すぎない生地を目指します。
まずはバターを室温に戻し、薄力粉と重曹は混ぜ合わせてふるっておきます。
基本中の基本ですが、これを省略するとおいしくできないので、面倒でもやってくださいね。
大きめのボウルにゆるめたバターとグラニュー糖を入れ、スパチュラ等ですり混ぜてから、
ホイッパーでしっかりとモコモコになるまで泡立てます。
これをやらないと、重たい生地になって失敗するので、しっかりと泡立てて、バターを気泡にしましょう。
そこに、溶きほぐした全卵を2回に分けて加え、さらによく混ぜます。
一気に加えると分離してしまうので、少しずつ入れるのがポイントです。
ふるった薄力粉と重曹を加えて混ぜ、生地がまとまったら、清潔で平らな台の上で粉っぽさがなくなるまで練ります。
この時、写真のようにカードを使うと練りやすいですよ。
カードで折り返して押す、という作業を繰り返して、練っていきます。
カードを使って生地を練っているところ
台が汚れていると、雑菌が入ってしまうので、食品用のアルコールなどで除菌した、
清潔な台を使い、清潔な手で練ることも忘れないでください。
粉っぽさがなくなり、なめらかになったら、生地を4分割にしてまとめます。
生地を手で平らに伸ばし、アーモンドをまんべんなくのせて、包むようにまとめて、ナマコ型に整えます。
アーモンドを並べて、飛び出さないように内側に折り込みます
生地を1~2時間ほど冷凍します。
ここでしっかりと冷やしておかないと、焼き始めて形ができる前に生地がだれて広がり、
形も味も食感も悪くなってしまうからです。
これは、ビスケットなどの焼き菓子をつくる時には必ずやる方法なので、覚えておくといいですよ。
生地はこのまま冷凍できるので、まとめてつくって冷凍して、2回に分けて焼くのもおすすめです。
生地がしっかりと冷えたら、【スチーム&ベイクトースター】に入れて、コンベクションモード/170度/30分で焼きます。
【スチーム&ベイクトースター】は予熱なしでOK!
狙った温度でムラなく焼けて、お店のオーブンと変わらない本格的な焼き上がりなのでおすすめです。
普通のオーブンで焼く場合は、170度に予熱して、同様に焼いてくださいね。
冷凍した生地を高温で一気に焼くことで、高さのあるきれいな形に焼き上がります。
また、焼きが甘いと、生地がくっついて断面が美しくなりません。
かといって、焼きすぎると割れてしまってきれいにカットできないので、焼く温度と時間はとても大事です。
粗熱が取れたら、やけどしないようにキッチンペーパーで押さえながら、厚さ2cm程度に切り分けます。
冷めるとアーモンドが切れないので、粗熱が取れたらすぐに切るのがポイント。
アーモンドが上手く切れないと、ボロボロと欠けてしまい、美しい断面になりません。
パン切り包丁を使って、押すように切るのがきれいに切るコツです。
パン切り包丁で押すように切ると断面がきれい
切り口を上にしてベイキングトレイに並べ、
【スチーム&ベイクトースター】に入れて、今度はノーマルモード/180度/10分で焼きます。
切り口を上にして並べて2度目のオーブンへ
焼き上がったら4~5時間冷まし、完全に冷めたら完成!
程よい硬さがクセになるおいしさ!
アーモンドがカリッと香ばしく、バターの風味がリッチで、つまみ食いが止まりません(笑)
コーヒーやワインがあれば、いくらでも食べられそうです。
加藤政行 プロフィール
1965年埼玉県生まれ。イタリア料理店で修行後、1995年に30歳で単身イタリアに渡り、ローマ料理のレストランで本場の味を学ぶ。帰国後は有名シェフのもとで働き、2011年に独立して、外苑前に「Sento Bene(セントベーネ)」をオープン。伝統的なイタリア料理やワインが楽しめる人気店で、看板メニューは「カルボナーラ」と「ラザーニャ」。本格的なイタリア料理にシェフならではのアレンジを加え、イタリア人にも大好評だったメニューをお店で再現しリピーターが続出。カルボナーラやラザーニャの誕生秘話とレシピはBRUNOファンサイトで公開中。BRUNOアイテムを使ったレシピ開発も手掛けるなど、BRUNO製品の仕様や特徴を熟知し、プロならではの目線で活用法を提案している。
セントベーネ(Sento Bene)HP https://sento-bene.com/
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BRUNO
愉しみ上手な大人が集い、生まれた、ライフスタイルブランド たとえば、ビーチサイドを仕事場に、 いつもの食卓をパーティに変え、 ファッションを愉しむようにインテリアを選ぶ。 “変幻自在”で”愉しさ重視”のライフスタイルがBRUNO流。 BRUNOは、人生を愉しむための 遊び心に満ちたライフスタイルをお届けします。
愉しみ上手な大人が集い、生まれた、ライフスタイルブランド たとえば、ビーチサイドを仕事場に、 いつもの食卓をパーティに変え、 ファッションを愉しむようにインテリアを選ぶ。 “変幻自在”で”愉しさ重視”のライフスタイルがBRUNO流。 BRUNOは、人生を愉しむための 遊び心に満ちたライフスタイルをお届けします。